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サラリーマンの給料はなぜ生活費に消えてしまうのか?(8)

義務教育がひた隠す目からウロコの危険な経済学

< 第1話 からお読みください >

第8話

エピソード2
彼は、なぜパンとマフラーの交換を拒否したのか?(1)

 さて、大学で経済学を学び始めた私だが、その最初の授業で、私たち学生のやる気をそぐかのように教授が発したフレーズを、私は永遠に忘れることはないだろう。胸やけがするかもしれないが、みなさんも三秒間だけ我慢して、次のフレーズをご覧いいただきたい。

 「交換とは、異なる使用目的を持つ同価値の商品間においてのみ成立しうる経済行為である」

 しかし、もちろん、教授の狙いは私たちを奈落の底に沈めることではない。

 最初に言語明瞭意味不明瞭なインテリジェンスなフレーズを持ち出せば、それを提示された学生は確かに不安になる。しかし、逆にそのほうが、その意味が理解できたときの喜びもひとしおだ。それが教授の狙いだったのだろう。

 そこで、みなさんにも、このフレーズが理解できたときに感じる感動をこれから味わっていただきたい。心配はまったく無用である。

 このビジネスエッセイを少しだけ読み進めれば、乗れなかった自転車に乗れるようになったときに、もはや「乗れないことができなくなる」のと同様に、このフレーズも「理解できないことができなくなる」こと請け合いである。

 後でこのページに戻ったときに、「どうしてあのときは、こんな当たり前のフレーズがわからなかったのだろう」と、未来の自分は現在の自分を不思議に感じることであろう。

 では、一緒にこのフレーズについて考えていくことにしよう。

⇒ 第9話へ



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