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サラリーマンの給料はなぜ生活費に消えてしまうのか?(42)

義務教育がひた隠す目からウロコの危険な経済学

< 第1話 からお読みください >

第42話

エピソード5
サラリーマンは現代の奴隷か?(7)

<貨幣> - <商品> - <貨幣>

 繰り返しになるが、貨幣は商品を仲介する目的を持って誕生したものだ。ところが、この図のように、流通の中に貨幣が登場すると、必然的にある現象が発生する。それは、

貨幣と貨幣を商品が仲介する

という現象である。

 『エピソード4』で述べたとおり、貨幣は商品ではない。価値は持っていても使用目的がないからだ。その貨幣で流通がスタートして、最後に再び貨幣に姿を戻す以上、その仲介役が務まるのは商品だけなのである。

<貨幣> - <貨幣> - <貨幣> 

 こんな流通は存在しないのだ。強いて言うならば、この図式に当てはまるのはお金を両替してもらうときくらいだが、両替が「流通」とか「交換」とは到底呼べないことは説明する間でもないだろう。

 また、貨幣が誕生した以上、もはや、次のような流通もこの世界からは消えてなくなった。

<商品> - <商品> - <商品>

 冒頭の単純な図、そして、その単純さの中に隠されたカラクリ。

 これが資本主義経済における流通を端的に表しており、だからこそ、『エピソード4』で述べたとおり、「貨幣は商品ではない」という重要な知識は義務教育の場では隠蔽されているのではないかとすら思えてならない。

 「貨幣は商品ではない」ことを知ってしまうと、勘のいい子どもたちはやがてはカラクリにも気付き、その後は次々に芋ずる式にもっと高度なカラクリにも気付いてしまう危険性があるから、というのは私の考えすぎだろうか。

 しかし、遠慮なく資本主義の仕組みを暴いていくのがこのエッセイの役目である。そこで、その「もっと高度なカラクリ」について次回から説明することにしよう。

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