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サラリーマンの給料はなぜ生活費に消えてしまうのか?(45)

義務教育がひた隠す目からウロコの危険な経済学

< 第1話 からお読みください >

第45話

エピソード5
サラリーマンは現代の奴隷か?(10)

 ブレッドが一日で焼いたパンと、スカーフが一日で編んだマフラー。この交換が成立したのは、ともに未使用であったからだ。

 もし、スカーフのマフラーが、誰かが一年間、着用した後のものであったら交換は成立しない。消費された分、マフラーの価値が下がっているからだ。

 そう、商品の価値には「消費すれば失われる」という特性があるのである。

 マフラーはまだいい。一年経っても、まだそれなりの価値が残っているだろう。しかし、パンなんて、食べたらおしまいだ。その瞬間に無価値になってしまう。

 もう一度、先日の図を掲示しよう。

<貨幣> - <商品の消費> - <増加した貨幣> 

 ビートルズの初期のナンバーに「アンナ」という曲がある。「あいつが好きなら一緒にどこかに消えちまえ。その代わり、あげた指輪は返してネ♪」という何ともせこい歌だが、この「アンナ」の歌詞ではないが、私はこの図を見るたびに嫌な思い出が頭をよぎる。

 額にして六十万円。昔、プロポーズするつもりで大枚はたいて指輪を買ったが、見事に破局してしまった。しかたがないので、買取販売店にその指輪を持ち込んだら、なんと、買値は五万円だと言う。

 現実は厳しい。消費どころか、一度も薬指にはめさせてもらえなかった指輪の価値が十分の一以下になってしまうのだから、この無念さを図にぶつけると、貨幣から始まる流通は次のようにならなければおかしい。

<貨幣> - <商品の消費> - <減少した貨幣> 

 さて、これは大きな問題である。完全に矛盾に陥ってしまった。

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