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「篤」が「あつし」に変わるまで(1)

主要登場人物・団体

●僕・・・この物語の主人公。わたくし、大村あつしのこと。

Episode 1

 - ストレス地獄 -

「それでは次に、データの変更の方法をご説明します」

「え?、あっ、はいはい。お願いします」

ほらこれだ。
人の説明など何にも聞いちゃいない。
もっとも、この人の気持ちもわからないではないが。

「なぜ突然、私がパソコンなんか覚えなければいけなくなったの?」

そんな不満が頭の中で渦巻いているのだろう。

しかし、はなからやる気のかけらもない人にソフトの説明をしなければならない僕の気持ちもわかって欲しい。
僕の人生哲学は「誰でも最初は初心者」である。
初心者に教えるのは、決して嫌いな方ではない。
むしろ、感謝されたときの喜びは、何にも変えがたいものがある。
そう、元来は、設計やプログラミングより、サポートの方が好きなくらいだった。

ところが、当時は、どの会社に行っても、しぶしぶ僕の説明を受けるパソコン担当者ばかり。
これは単なる偶然ではなく、親会社で僕のソフトの「受け」が非常に良かったため、多数の子会社に一斉に、僕の販売管理システムの導入指令が出されていたのだ。

そしてこれは、それまでは手作業でもそれなりに楽しく仕事をしていた、パソコンに恐怖心さえ感じる子会社の事務員には、はなはだ迷惑な指令だったというわけである。

一度覚えてしまえば自分が楽になるのに、なぜそれをわかろうとしないのか。
いくら「客」だからといって、説明を受けるときにその好戦的な態度はやめてくれないか。
毎日がこのイライラの連続。
これでは、「初心者にやさしく」という僕の人生哲学も吹き飛んでしまう。

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