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「篤」が「あつし」に変わるまで(7)

< 第1話 からお読みください >

主要登場人物・団体

●僕・・・この物語の主人公。わたくし、大村あつしのこと。
●福島一郎・・・謎の人物。
●宮城社長・・・私の経営していた会社の主要取引先の社長。実在する人物だが仮名。

Episode 7

「福島さんは出版社の社長さんなんですか?」

「えー、そうですよ。小さいところですけど」

「宮城社長、だったら福島さんはそれぐらいのことはご存知ですよ。出版社はあの種類のパソコンがなければ仕事にならないんですから」

「え、そうなの。品川出版もあのパソコン使ってるの?」

「えー、使ってますよ。だけど宮城社長のおっしゃるとおり、デザインなんかするときに使いますが、あのように販売管理で使っているのを見るのは初めてですよ。Macでもやればできるんですねー」

ついに、話が振り出しに戻ってくれた。

今だ。

「あ、そー言えばさっき、『本を書いたら』とおっしゃってましたよね?」

まるで思い出したかのような口振り。
精一杯の演技である。

「あ、そうそう。Excelのマクロで販売管理ができるって、これはテーマとしては面白いよ。書けば売れるよ、きっと。Macユーザーはみんな飛びつくんじゃないのかなー」

こちらの方は、演技でもなんでもなく、本当に思い出したかのような口振りだ。

「もし私が原稿を書いたら、目を通して頂けますか?」

「いや、目を通すも何も出版しようよ。絶対にいけるから」

心臓が高鳴るのが手に取るようにわかる。

「わ、わかりました。さっそく戻って構想を練ってきます。そして、企画書みたいな形でお見せすればいいんですよね?」

「いや、企画書はいいから。そうだなー、とりあえず30ページぐらい書いてみてくれる。それができたら連絡頂戴よ」

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