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「篤」が「あつし」に変わるまで(26)

< 第1話 からお読みください >

主要登場人物・団体

●僕・・・この物語の主人公。わたくし、大村あつしのこと。
●青森・・・東新宿出版の編集長。実在する人物だが仮名。
●東新宿出版・・・新宿にある出版社。実在する会社だが仮名。

Episode 26

- ジ・エンド -

最初に僕が目をつけたのはコンピュータ系の専門学校だった。

1つの学校で200冊購入してもらうとして・・・
15の学校で僕の本を教材として使用してくれれば、ちょうど3,000冊だ。

そんな営業が可能かどうか皆目見当がつかないが、とにかくやるしかない。

まず、最初に、静岡県内では非常に有名な専門学校に電話を入れてみる。
もちろんコネクションなどあるはずもないが、その学校が万が一僕の本を教材にしてくれれば「はく」がつくというものだ。
後は、その「はく」を利用して、次から次へといろいろな専門学校に営業をかける。
これが、僕の考えついた「3,000冊売りさばき」計画であったが・・・

みなさんご想像のとおり、結果は散々。

このとき僕は、生まれて初めて「門前払い」なるものを経験した。

とにかく、会ってすらもらえないのだ。

そうそう、これは余談だが、その数ヵ月後に僕の本が「正式なルート」で無事出版された後、その学校でその本がVBAクラスのテキストとなったことを僕は素直に喜べばいいのだろうか。
しかも、講師の依頼付きで・・・
今なお複雑な心境である。

いずれにしても、最大手の専門学校は見事に玉砕。
その後は方針を転換して、多少小さ目の所から攻めてみた。
もちろん、何度も「門前払い」を経験した。

真剣に話を聞いてくださる先生もいらっしゃったが何と言っても、当時はVBAのクラスがある専門学校はほとんどなく結果は全滅であった。

と同時に、もう1つの候補であるパソコンスクールも僕の中からは選択肢としては完全に消えていた。
どこを調べても、「VBAコース」を設置しているスクールなど1つもなかったためである。

今となっては隔世の感もあるが、1996年当時は、VBAは所詮その程度の扱いだったのだ。

そして、僕はついに独りつぶやいた。

「終わった・・・。ジ・エンドだ・・・」

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