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「篤」が「あつし」に変わるまで(27)

< 第1話 からお読みください >

主要登場人物・団体

●僕・・・この物語の主人公。わたくし、大村あつしのこと。
●青森・・・東新宿出版の編集長。実在する人物だが仮名。
●東新宿出版・・・新宿にある出版社。実在する会社だが仮名。

Episode 27

- ジ・エンド -

「成功する秘訣?それは成功するまでやめないことだ」

僕の座右の銘であるが、今回ばかりはもう万策尽き果てた。
これ以上何をどうしろというのだ。

東新宿出版には、「出版断念」の電話を入れよう。
そして、また開発の日々に戻ろう。
そう、この数ヶ月のことは何もなかったことにすればいい。
そして、また一から本業の開発で頑張ればいい。
ただそれだけのこと。

「そうですか。断念なさいますか」

「はい。とても3,000冊売りさばくなど無理な話です。心当たりをどれほどあたっても、そんな販売ルートは見つかりません」

もう終わった話である。
僕は、淡々と出版断念の意思を青森編集長に電話で伝えて受話器を置いた。

その翌日。
さぁ、今日からはまた開発で頑張ろう。
正直なところ、心機一転とはいかないが・・・
そう。
まだ、心のどこかで引きずっている。
かといって、いつまでも固執しているわけにもいかない。

朝食を終えて、その日の空とは違ううす曇りのような気持ちのままパソコンの電源を入れたとき、電話が鳴った。

今にして思えば・・・それは、運命の鐘の音だった。

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